Lesson 08-2 食べやすい姿勢 違い その1

食事と就寝の場を分ける事、寝食分離は豊かな家庭生活をおくる上でとても大切な事です。

もし1日中、別室のベッドで過ごしている人が食事の時だけでも家族と一緒に過ごせる時間を持っていると、それだけでかなりの幸福感を得られます。起きてベッドから離れ、車いすに乗り移ったり歩いて食堂へと行くことはいずれもリハビリになりえます。

また、ベッドで食べるよりも背筋が伸びた状態で食事を行えた方が、誤嚥の心配は少なくなります。それぞれの場合に合わせて、食べやすい姿勢を一緒に考えていきましょう。

イスに座って食べる場合

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イスを使用して食事を行う場合、座高は高すぎず、足の裏が床につく高さの物を選ぶようにしましょう。もし足の裏が付かない時には台座や足載せ台などを使用して足が付くようにしてください。

それと食事中につかれた時に少し体を休めることができるように、背もたれやひじ掛けがある物だとなお良いです。とはいえ食事中は背筋を伸ばす方が食べやすいので、背もたれとの間に座布団やタオルなどを使用してバランスが取れるようにしましょう。

肘をついて食べると少々見た目が悪く、あまり好印象を得られませんが腰痛や震え、手に障害がある方は肘をついても構いません。他人との食事や外食の際、周りに一言説明しておけば特に問題ありません。

車いすを使用して食事をする

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車いすから転げ落ちない様に、深く腰掛けるように座りましょう。

ですが先程のイスでの食事と同様に背もたれには寄りかかり過ぎず、背中が反り返らないようにしてください。足も地面につくようなら伸ばすのが理想的ですが、無理なようなら台座などを使用しても構いません。

また、車いすを使用しているとブレーキのかけ忘れが思わぬ事故につながる事があります。ブレーキをかけず、前後に移動する安定しない状態での食事はうまく食道を通って行かず誤嚥してしまったり、食事に集中できず料理をこぼしてしまうなど様々な問題が発生するので、日頃からきちんとブレーキを使用するようにしましょう。

テーブルを工夫する

イスの高さもそうですが、テーブルもちょうどよい高さの物を探すのはとても困難な事です。大まかな目安としては腰を下ろす部分、座面から約20~25cmぐらいの高さが良いとされています。

車いすを使用している家庭では車いす用のテーブルを利用するのも良いですし、座布団やクッションを利用して座面の高さを調整しても構いません。中には机の脚の裏に高さを調整することができる仕掛けがある物もあるので、家族全員の要望に合ったテーブルを探してみましょう。