人によって好き嫌いがあったり宗教上の問題で食べられない食材、料理があったりと、様々な条件を加味しながらその人に合った献立を組み立てます。その考えは高齢者の方々にも当てはまります。
まず誰にでも当てはまる条件として、『栄養価の高い食材を選ぶ』という点です。もし食事をする体力が減って思うように多くの量を食べることができなくても、少ない量でも多くの栄養が得られる食材を使用することで低栄養の恐れを解消することができます。
それぞれの症状に合わせて必要な栄養素は変わってきますが、健康診断などで病院へと訪れた際に、医者にどのような食材を多めに摂った方が良いか、相談しておきましょう。
それぞれの食材の選び方については、下記の項目を参考にしてみてください。
野菜類
近年ではハウス栽培などで年中野菜が出回っていますが、できるだけ旬の野菜を利用するようにしましょう。旬の時期に採れたものはビタミンやミネラルなど、栄養が豊富に含まれているので上記の条件に当てはまります。
果物類
手に取って調べられるようでしたら、色艶や香りが良い物を選ぶようにしましょう。
ですが酸味の強い柑橘類や線維の多いパイナップルなどはむせやすい人もいるので、買う前にきちんと相談しておいてください。
最近では貿易の幅も増えて外国産の輸入果実や、新種の果物が出回っていますが、高齢者の中にはこれらの物が口に合わない人も少なからずいます。このような方には無理して新しい物を提供せず、昔から馴染のある果物を選ぶようにしましょう。
魚介類
熱を加えると硬くなってしまう食品(カツオ、マグロ、エビ、イカ、タコなど)や骨の多い魚、弾力がある加工食品(かまぼこ、ちくわなど)などは、飲み込む力が弱まっている人には向いていません。
あらかじめ骨を取り除いておいたり、ほぐしてフレーク状にしたり、細かく切り分けるなど、食べやすいように調理法を工夫するようにしましょう。
海藻類
パサパサしてのどに張り付き易い海藻類(焼き海苔、ワカメなど)は喉に引っかかって呼吸の妨げになってしまう可能性があるので、控えるようにしましょう。もし献立に加えるのであればヒジキの煮物や、海苔の佃煮といった水気を含む物を選ぶようにしてください。
パン類
パンやカステラなどといった口の中でバラバラになってまとまらない食品は、口内の水分を奪っていくので水分補給を行いながら食べるようにしましょう。
冷凍食品、缶詰、レトルト食品
冷凍食品、缶詰、レトルト食品などは保存が利き易く、調理加工済みになっているので忙しい時に短時間で用意することが可能です。さらに缶詰は柔らかく調理してある物がほとんどなので、高齢者に適した種類が多数存在します。
とはいえ長期保存が出来るように添加物が多く含まれている可能性もあるので、栄養バランスを崩しかねません。
使用する場合には献立の一品、調理時間を短縮する為の材料として取り入れるようにして、上手に扱っていきましょう。

