どんな対応をしても、食事、食べ物に興味を示さない時があります。そのような時は無理をさせず、食べないサインをいち早く汲み取って対応するようにしましょう。
口を開かない
食べ物を口元へと持って行っても強く口を閉じ、食べようとしない事があります。体の老化によって活動量が減ってきてしまい、空腹感がなくて食事への意欲が湧かないのも1つの例です。
無理をさせないよう、下記のような対応が必要となります。
- 一食、食事を思い切って抜いてみる。これによって空腹感を覚え、素直に食べてくれることもある。
- 嗜好が分かる場合は好きな物を用意して様子を見てみる。五感を刺激されて安心感を抱き、開口することもある。
介助が必要な高齢者の場合、介助されることに恐怖心を持っている人もいます。しかし食べられる物、とくに相手の好きな物だと安心してくれることもあります。安心感を得た時の目線や声のトーンなど、人それぞれ多少の違いはありますが柔らかい雰囲気を醸し始めます。
また、その逆に恐怖心が強まって雰囲気が強張ってしまう場合もあります。それぞれの違いを機微に感じ取り、何が原因なのか慎重に観察しましょう。
首を振って拒否
食事介助が必要な方は、何かの理由で食べたくないという表現を様々な形で訴えようとします。そして拒否を表現しやすい首を振る動作によって食事を拒むことがあります。
個々のペース、個人の表現方法などそれぞれありますので、よく観察することが大切です。対応の例として下記のようなものがあります。
- 介助する方法を変えてみる。
- 介助者を変えてみる。
意図的な吐き出し
口を開けてくれないのに、何を食べても「まずい」と言って吐き出してしまう人もいます。たしかに料理がおいしくなかったり、その人の口に合わない料理、という可能性もあります。しかし必ずしも本当においしくないからと言って吐き出しているとは限りません。
何かしらの不満を感じており、その感情を食事の場で明確にしようとしての行動という場合があります。そのような時、下記のような対応を試してみましょう。
- 時間を変えてもう1度同じように食事を始めてみる。
- 食事形態に問題がある場合、柔らかい物や口当たりの良いものを調理して飲み込みやすい料理を提供する。
- どこに不満があるのか話し合い、不満の解消に取り組む。
食事意欲の低下
とくに何かしらの理由があっての行動ではなく、単純に食欲が湧かずに食事に手を出さない場合もあります。運動不足によって食欲が湧かない程度なら良いのですが、このような事態が数日続くと消化器系に何かしらの問題が発生している可能性もあります。
日々のコミュニケーションから些細な違いを発見することも可能ですが、食事も1つのコミュニケーションの場です。ここから病気を見つける例も少なくないので、日頃の食事風景も観察していち早く違いに気付くようにしましょう。
