健康状態、食事療法の確認
高齢者の中には糖尿病や腎臓病などの為に、医師から食事療法の指示を受けている人もいます。さらに服用している薬との関係で特定の食品などが禁止されていることも少なくありません。また、相手の疾病や健康状態の違いにより、食事の内容も変わってきます。
四肢のマヒや嚥下障害の有無、自分の歯の状況、噛む力、認知症の程度など、相手の疾病、障害の程度を認識しておくとどのような介助が適しているのか判断することができます。
また、医師から食事制限や特別な指示がある方には、医師との相談を得て介護方法を探っていくことがおすすめです。
食習慣、嗜好、適当量を知る
年齢が変わるにつれて味覚が変化していくことは多々あります。さらに加齢していくことによって味覚が低下していき、味が薄く感じることもあり、噛む力や入れ歯など口内の変化によっても嗜好が変わってきます。
ただでさえ味の好みや食習慣については個人差があるため、全員が同じ方法で良いとは限りません。どのような食事が好みなのか本人や家族、近しい人から情報を得て十分に確認する必要があります。
また、食事量を適切な量にしておかないと低栄養や肥満など、様々な形で体に不具合を起こしかねないので出来るだけ多くの情報を得るようにしましょう。
家族が一緒の場合
ケア施設だと介助に必要な道具は取り揃えてありますが、自宅介護を行っていると道具が足りない事もあります。さらに高齢者の具合に合わせて、食生活や生活リズムを合わせていく場合も少なくありません。
ですがどれも特別な事ではなく、普段の生活の延長線上にあるようなものがほとんどです。そのために介助の方法を身に付けたり、ミキサー食などに必要な道具をそろえたりと、労力をなるべく軽減できるように工夫していきましょう。
体、精神状況を確認
相手の性格や嗜好について調べることはもちろんですが、その日の調子を確かめることも必要な事です。その確認方法として下記のような項目を気にかけましょう。
- きちんと目が覚めているかどうか確認する。いつもの起床時間だからと言ってぼんやりしているところを無理やり起こさせ、食事をとらせるのは避ける。
- 熱や便秘、歯が痛い、外出などで疲れが溜まっていたりと、不調が見られるときにはいつも以上に配慮が必要となる。そういう時には規則正しい生活よりも余裕を持たせた会話やリラックスできる環境づくりなど、精神の安らぎを重要視する。
- 食事を食べたがらない時には無理に食べさせてはいけない。まずはなぜ食べないのか、原因解明の検討を行うようにする。
環境作り
楽しい食事を行うために、食事がしやすい環境作りというのも重要になってきます。
- 好きな音楽や花、外の景色など、落ち着いた雰囲気を作ってリラックスできる環境を作る。
- 室温は過ごし易い温度に調整する。
- 食卓の上は片付けて、食事に関係ない物は置かない。特に認知症のある方は食べ物でない物も食べようとするので、より注意が必要となる。
