Lesson 07-2 準備 食事前

食事の前にやっておくこと

食事を心地よく行うために介助者だけでなく、高齢者の方も食事の前に行っておく準備があります。それらを行う事でより快適に、気持ちよく食事を行う事が出来ます。それらを項目化した物が下記の通りになります。

  1. 苦痛や不安、興奮を伴う治療、処置などは食前に行わないようにしましょう。
  2. 排泄感覚のある人は、食事の前に排泄を行っておきましょう。しびんやオムツなど、ポータブルトイレを使用している場合は排泄後、便器や汚物を片付けて室内の換気を十分に行い臭気を残さないようにします。
  3. 歩行可能な人は自分で手を洗い、清潔な状態にしておきます。寝たきりの人はおしぼりやウェットティッシュなどを使用して手を拭くようにしましょう。
  4. 口に水分を含んでゆすぎ、口腔内をきれいにします。口の中に食べカスなどが残っていると食事の味が分かりにくく、美味しく食べられません。また、口の中の細菌を誤嚥してしまい、肺炎へと繋がってしまう可能性もあります。さらに口をゆすぐことで食事を食べるための「準備体操」にもなるので、潤いや口の筋肉の体操によって食べやすくなります。

食事のしやすい体位

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相手の身体状況に合わせて、食事のしやすい体位は変わってきます。歩いて食卓へと移動することが可能な人、ベッドで寝たきりの状態から上半身を上げて食事を行う人、車いすを使用する人など、様々な形を用いて食事を行います。

また、ベッドから離れて食事を行う時、寒くないよう室温を調整したり上着を1枚羽織るなどの気配りも食事がしやすい環境作りに必要な事です。

入れ歯の確認

人によっては入れ歯を使用している場合もあるため、必要に応じて入れ歯の確認を行うようにしましょう。本人が入れられれば問題ないのですが、手先で行う作業が困難な人は介助の手を借りて入れ歯を入れる場合もあります。

この作業に手間取ってしまい、歯肉を傷つけてしまうと食事が傷にしみて食欲が下がってしまう事もあります。そのため入れ歯を装着する時にはやり方をきちんと把握して、慎重に行いましょう。場合によっては義歯接着剤の使用もあり得るので、そちらについても学習が必要です。

服薬の確認

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医師からの指示によって食前薬、食後薬がある場合、必ず飲むようにしましょう。そして服用する薬の種類を医師の方から教えてもらい、どのような食材を使用してはいけないか事前に相談するようにしておかなければなりません。

もし特に問題がないようなら大丈夫ですが、食後は食事を無事に終えたことへの安堵感から薬の存在を忘れがちです。目に見える場所に置くなどの準備をしてから食事を行うようにしましょう。