Lesson 09-3 道具 水分補給

水分、流動物を摂取する

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Lesson05で説明した通り、高齢者の事故の1つに脱水症状が数えられます。それを防ぐためにはこまめに水分を補給するようにし、なおかつ高齢者が自身の手で難なく飲めるようにしてあるとなお良いです。

しかし寝たきりの状態ですと水をこぼしてしまったり、誤嚥の危険性が高くなります。他にもコップを持つ握力が弱くてコップごと落としてしまったり、飲み込む力が弱くてうまく水を飲めない場合など、様々な問題が発生します。

これらの問題を解決するべく、高齢者のために水分補給がし易くなる道具を用いましょう。

選び方

高齢者本人の具合を観察し、口の動きや飲み込む力、手の動きなどを考えてその人に合った器具を選びましょう。そうすることでむせやこぼす心配が少なくなります。

  1. 使う本人の口の大きさに合わせる。
  2. 横になって飲む時、首の不安定性や手に震えがある場合は蓋が付いていると安心して飲める。
  3. 手がマヒしていたり、握力が弱い人は軽くて取っ手の大きい物、手で引っ掛けられる物が持ちやすい。
  4. 吸う力が弱い人は吸い口が広い物や、フチの片側がカットされて唇を付けやすい物だと飲み込みやすくなる。
  5. むせのある人は流量を調節できる物、さらに1口分の量が少ないとむせの危険性が軽減できる。

種類

  • 蓋付きのコップ
  • フチがカットされたコップ
  • 取っ手が付いたコップ:両手用、片手用など、使い手に合わせて種類が豊富で、取っ手のみ販売されている物もある。
  • 流量を調節できる物:ストローのような飲み口がついており、ノズルゴムで量を調節できるようになっていたり、調節蓋の開け閉めで量を調節できるものなど形状は様々。

エプロン・タオル

これらの道具を使用しても、どうしてもこぼしてしまう人もいます。そのような時はエプロンなどを利用してこぼしても良い環境を整えてあげましょう。これらをうまく活用することができれば安心して食事をすることができるので、高齢者の悩みが1つ減ります。

エプロンの場合

  1. 首にかけたエプロンの先端をテーブルの上に敷き、その上に食器を置いて食事をします。すると本来なら机と食べる人との間に落ちてしまう食べ物もエプロンが汚れから守ってくれます。
  2. 1の状態だと上半身を動かした時に食器を落としてしまいがちな人もいるので、エプロンの先端を折り上げてポケットを作るタイプの物も存在します。

タオルの場合

  1. 紐やゴムなどで頭を通るほどの輪を作り、タオルをかけます。その状態で紐を首へ通し、エプロン代わりにすることができます。
  2. ひざ元に少し大きめのタオルをかけておくとこぼしても床を汚すことなく、安心して食べることができます。