食生活指針
介護食の調理基本を教える前に、まずは「高齢者のための食生活指針」について理解して頂きます。
- 低栄養に気を付けよう(体重低下は黄色信号)
- 調理の工夫で多様な食生活を送る(何でも食べよう、しかし食べ過ぎには注意する)
- 副食から食べよう(年をとる毎におかずが大切になる)
- 食生活をリズムに乗せよう(3食食べる時間帯や、1食にかかる時間を一定の物にする)
- よく体を動かそう(空腹感は最高の味付けになる)
- 食生活の知恵を身に付けよう(食生活の知恵は若さと健康づくりの羅針盤として重要)
- 美味しく楽しく食事をとろう(豊かな心が育む健やかな高齢期)
介護食の調理の基本
消化吸収のよい物をバランスよく
高齢者の栄養を考える時、体の機能が衰えて来る生理的老化現象について考慮しなくてはなりません。食べ物を消化、吸収を行う消化器系も老化しているので、軟らかく消化の良い食品の利用と調理法の工夫が必要となってきます。
ですが1つの食材に偏ることなく、なるべく多くの食材をバランスよく食べることが大切となります。
ご飯だけでお腹いっぱいにしない
ご飯や麺類などの主食でお腹がいっぱいにならないようにしましょう。多くの食材を食べられるように、副食となるおかずの量を少しにして複数量のおかずを用意するようにします。
食物繊維をとる
便秘にならないためにも根菜や豆、ヒジキなど適量の食物繊維を食べることが必要です。ですが下痢気味の方には逆に症状を悪化しかねないので、状況に合わせて量を調節しましょう。
肉の脂身を控える
コレステロールや脂肪を多く含む食品は動脈硬化を進め、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす危険性があります。肉の脂身は控えるようにし、調理に使用する油もサラダ油などのような植物性油にしましょう。
薄味を心掛ける
老化によって味覚が低下するので塩味や甘みに対する感覚も低下し、味を感知する為に摂取量が増えてしまいがちです。これにより高血圧や糖尿病になる可能性が高くなるので、予防のために摂り過ぎには注意しましょう。
味の強い酢や香辛料を使い、少量でも味を認識できる工夫が必要になります。
季節感のあるメニュー作り
献立に変化をつけるために、その季節に合った料理を積極的に取り入れるようにしましょう。これによりさらに季節を感じることができますし、自然と旬の食材を利用することができます。
食事は楽しい雰囲気に心掛けましょう
家族そろって食卓につき、団欒を楽しみながら食事をするのは高齢者のためだけではなく、家族全員にとっても大切な事です。たとえ毎日が無理であっても、週末や休日には顔をそろえるなど、家族間での決まりを作るようにしましょう。

