一言で介護食と言っても、その食事をとる人たちは全員同じではありません。たとえば食が細くなって多くの栄養を補給できない人、便秘や下痢で消化器系に問題がある人、風邪で熱がある人など、多くの高齢者がそれぞれの問題を抱えています。
介護食も全て同じ献立にせず、その人の特徴やその時の体調に合わせて介護食を作らなければなりません。このページではそれらの特徴が現れた時、どのような介護食を作れば良いか紹介していきます。
食欲がない時
食欲の低下は少しの気候の変化やストレスなどからも起こり得ます。そのような時には口当たりの良い、ツルンと飲み込みやすい物や、適度な酸味や辛味で食欲を湧きたたせるような料理が効果的です。
ですがもし食欲不振が続くようでしたら食事の改善だけでなく、医師への診断も必要となってきます。
便秘の時
水分不足に陥りがちな高齢者にとって、便秘もよくある症状の1つです。
便秘の際には水分をいつも以上にしっかりと摂り、腸内環境を整えてくれる食物繊維が豊富な根菜やイモ、豆、ヒジキなどを多めに摂取しましょう。また、腹部を軽くマッサージすると腸の活動を促す効果が期待できます。
下痢をしている時
下痢は風邪などの体調不良以外にも、消化の悪い物や冷たい食べ物の摂りすぎで引き起こされます。
なお、下痢が治まらないと脱水症状を招きやすいので、砂糖水や番茶、スポーツドリンクなどをこまめに飲むようにしましょう。下痢が治まったらお粥や湯豆腐など軟らかく消化に良い物を食べ、少しずつ消化器系を動かすようにしましょう。
もし下痢が治まってすぐに油分や刺激物などを大量に摂取すると消化器系に負荷がかかり、症状を悪化させてしまいかねません。また、食物繊維を多く含む食品、柑橘類、炭酸飲料も下痢の時は避けるようにしましょう。
なお、発熱によって引き起こされた下痢の場合、長期的に下痢や血便が襲って来て体を蝕んでいきます。このように症状が治まらないようでしたら、早めに医師に相談しましょう。
吐き気がある時
食べ過ぎや体調の乱れによって引き起こされた吐き気であればあまり事を荒立てず、安静にしておけば特に問題ありません。
症状が落ち着いてきたらまずは水分補給を行い、プリンやヨーグルト、野菜ジュースなどサッパリとして食べやすく、少量でも栄養が摂れるもので英気を養っていきましょう。
熱がある時
発熱時に最も重要な事は水分補給です。
そして水分と同様にビタミン・ミネラルも消耗していくので、飲み物と一緒に果物やアイスクリーム、プリン、冷やっこなどといった口当たりの良い物や、温かいお粥やうどんなど消化に良い物を中心とした食事にして、栄養とエネルギーを効率よく補給させていきましょう。

