Lesson 02-1 栄養について 基礎 その1

必要な栄養素

高齢者に限らず一般人にも言える事ですが、健やかな生活を送る為には食事から必要な栄養を摂取する必要があります。そして必要な栄養素は大きく分けて5つあります。

主に体を動かすエネルギーとなるのは『炭水化物(糖質)』と『脂質』筋肉や臓器などの体を作る『たんぱく質』、そして体の生理機能を調節するのが『ビタミン』と『ミネラル』です。

この5大栄養素をまんべんなく摂取する必要がありますが、老化によって現れる症状に合わせて必要となる栄養素は変わってきます。それぞれの違いに対応するためにはまず、それぞれの栄養素について理解を深め、対象者に合った食事を作っていきましょう。

炭水化物

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炭水化物は大きく分けて糖質と食物繊維の2つに分類できます。人体のエネルギーとなるのは糖質の方で、総エネルギーの多くは炭水化物で賄われます。また、エネルギーとなるだけでなく脳の働きを助けたり免疫力を高めてくれる効果もあります。

ですが高いエネルギー量を保有しているので、摂りすぎてしまうと消費エネルギー量を上回ってしまい、肥満を招く可能性があります。特に高齢者になると筋肉が衰えて運動への意欲が減ってしまい、消費エネルギーが少なくなる傾向がみられるので摂取量と消費量のバランスを調整するようにしましょう。

主にお米やパン、麺類に多く含まれています。他にも芋類やトウモロコシ、砂糖などでも摂取することができます。味覚が衰えていくとは言え、『甘み』を感じる能力は衰えにくく、他の味が分かりづらくなることから甘い物を食べて食事を楽しむ傾向があります。

しかし上記で説明した通り、摂りすぎると肥満に、砂糖の場合は虫歯になる可能性も出てくるのでバランスの良い食事と食後の歯のケアを特に気を付けるようにしましょう。

脂質

オリーブ

脂質と聞くと『肥満』を連想してしまい、体に不要な栄養素ではないのかと思われがちです。

しかし脂質は寒さを防ぐ天然のコートになりますし、細胞や血液、ホルモンの生成にもかかわってくるので人体には欠かせない栄養素でもあります。その上脂質は動物性、植物性の2つに分かれ、さらにその中でも様々な脂肪酸が存在しますので、脂質全てが悪とは言えず、定期的に摂取しなければなりません。

しかも得られるエネルギー量はたんぱく質の倍以上なので大量のカロリーが得られます。運動を行うにも体機能を十分に働かせるのにも、エネルギーが必要となるので高い栄養量が必要な時には有効な栄養素です。

しかし必要以上に摂取してしまうと肥満へと繋がりかねません。消化されなかった脂質は体内へと蓄積されていくので、聞き馴染みのある脂肪へと変換されて内臓や血管、様々な場所で蓄積されてしまうのです。

また、血管に脂肪が蓄積されると血流の流れを制限してしまう為、高血圧になりかねません。脂質は必要な栄養素であると同時に、過剰摂取によって寿命を減らしかねない栄養素でもあります。摂取量に気を付けてバランスよく摂るようにしていきましょう。

多く含まれている食材は油をはじめ、バターやマヨネーズ、ナッツ類、乳製品、菓子類など大量にあります。