体の衰えが強くなってくると普段の生活でも支障が生じ、病院で検査を受けることも少なくないでしょう。しかし検査を受けてもそれぞれが示す数字、指標の意味を理解していないと、どのような状況に置かれているのかが把握できません。
このページでは栄養管理にまつわる指標について学んでいきます。
BMI(体格指数)
BMIとはBody mass indexの略称で、身長と体重の比率を刺します。
体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
上記の計算式で表し、18.5以上25未満が標準値にあたります。元々の体質や筋肉量などで変化はしてきますが、やせ過ぎず太り過ぎず、可能な限りこの数値に合わせるようにしましょう。
血清アルブミン値(Alb)
これは体がどれくらいのたんぱく質を作っているかを見るための指標です。
3.5g/dL以下の場合は低栄養の疑いがあります。しかし血清アルブミン値が低いことは必ずしも低栄養に直結するわけではありません。食べる量が減ると血清アルブミン値が低くなる傾向にあるため、1つの可能性としてきちんと目を向けておきましょう。
ヘモグロビン値(Hb)
血清アルブミン値が低くなっていくと、同じように鉄分も減って行きます。
血液中にあるヘモグロビンはたんぱく質と鉄分から作られ、体中に酸素を運んでいます。もし鉄分が減ると酸素が十分に回らなくなってしまい、息切れや激しい動悸、貧血へと繋がりかねません。慢性的に鉄分不足になると起きていることもつらくなり、寝たきりの原因にもなります。
下腿(かたい)周囲長
ふくらはぎの1番太い場所を測った数値です。この数値が31cm以下の場合、低栄養だと言われていますが、日本人の場合は28cmが目安とされているので多少短くても問題ありません。
寝たきりなどで体重が量れない方にはこの方法が用いられます。
褥瘡(じょくそう)
低栄養の症状は下腿周囲長を測るだけでなく、他の症状でも判断することができます。その1つが褥瘡です。継続的な圧迫により、皮膚や筋肉が壊死してしまった状態のことを指します。
低栄養によって発生しやすく、そのうえ治りにくい症状でもあります。
褥瘡の治療にはエネルギーとたんぱく質、亜鉛、ビタミンA・C・Eを重点的に摂取していくことが大切です。できれば食事による摂取が好ましいですが、食事が困難な場合はサプリメントなどの栄養補助食品を使用して栄養バランスをとるようにしましょう。
皮膚・口腔内の乾燥
水分不足になりがちな高齢者にとってこまめな水分補給は大切な事です。そして粘膜の乾燥具合によって、体内の水分保有量が分かります。手足や唇、舌、口内などが乾燥している場合、こまめに水分補給を行う事はもちろん、食事にも汁物を増やして水分をたくさん摂るようにしましょう。
嚥下障害によってむせてしまう人には、ゼリーやプリン、ヨーグルトなどを水分の代用品として扱いましょう。
主観的な印象
目の輝きや顔の表情、声の大きさ、握手の力など、それぞれの印象から元気に感じるかどうかも、重要な判断材料です。特に長期間介護をしていると、そのような小さな変化に気付くことでいち早く異変の改善に取り掛かることができます。

