Lesson 03-4 介護食とは 高栄養補助食品

基本的には口から食事をとる方が体にとっても精神的にも良い傾向が得られますが、食べる作業でも疲労を感じたり、少量しか食べられない状態だと低栄養へと繋がりかねません。その問題を解消する為に、栄養補助食品を上手く利用していきましょう。

不足する栄養を補う

いつまでも健康で長生きする為には健康的な食事作りが必要となりますが、全て手作りにしていつでも栄養素を完璧に含ませるのはとても困難な事です。また、多くの栄養素を摂らなけらばならないと考えてしまい、その量に比例して食事量も増やしてしまいがちです。

そこで食事量が少なくても栄養不足が起こらない様に、高栄養補助食品の利用も考えていかなければなりません。

介助する側、される側、お互いが無理せず毎日を過ごせるために、どの方法が合っているか模索していきましょう。

高栄養補助食品とは

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呼び方は高栄養補助食品、栄養補助食品とありますが、どちらも目的と用途はほとんど変わらないのでどちらでも構いません。これらは食事で補い切れなかった栄養素を補給する為に強化された食品です。

下記のような目的に合わせて、それぞれ使い分けましょう。

  • エネルギー補給
  • たんぱく質補給
  • 鉄分補給
  • カルシウム補給
  • ビタミン・ミネラル補給
  • 低エネルギー対策
  • 食物繊維、オリゴ糖補給 など

また、サプリメントなどの錠剤タイプもありますが、高齢者でも飲み込みやすいように様々な形が存在します。

  • 液体タイプ
  • ゼリータイプ
  • ふりかけ
  • クッキーやボーロなどの菓子類タイプ
  • 粉末タイプ

また、味についても甘い物や豆腐、コーンスープ味、乳製品、フルーツ味など、多くのバリエーションが存在して好みに合わせて選ぶことが可能です。

よく見られるケース

高栄養補助食品の利用を考えていただきたい人の例として、下記のような方がいます。

飲み込む力が弱くて、食べるのに時間がかかってしまう人

飲み込む力が弱くなってくると食事の1口1口がとても大変な作業になり、ただ食べるだけでも疲労が溜まってしまいます。すると最後まで食事を楽しむことができず、それどころか必要な栄養素を十分に補給することすら出来ずに食事が終わってしまう可能性があります。

このような場合にはエネルギーとたんぱく質の補給を第一に考えます。形態についてはむせてしまう場合にはゼリータイプを、むせないようでしたら液体タイプがお勧めです。

皮膚が弱く、褥瘡ができやすい人

たんぱく質や亜鉛、アルギニンの補給を重点的に行いましょう。たんぱく質によって新しい細胞を、そして亜鉛とアルギニンには皮膚を再生する働きがあります。

便秘、お腹の調子が良くない人

食物繊維やオリゴ糖の補給を行いましょう。併せて水分補給も行えるタイプの物を選ぶと一石二鳥です。