Lesson 04-2 食事と健康 寝食分離

寝食分離とは

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寝食分離とは、食事をする場所と寝る場所を変えるという事です。

寝室と食卓が分かれていることはとても一般的な事ではあるのですが、1つ1つの行動で疲労が溜まって行く高齢者にとってはそうとも言い切れません。体の調子が悪くなって入院が続くようになるとベッドの上で食事をとる事も増えて来ます。

このように病気や体力の低下によって寝食分離が出来なくなっていくとその傾向が強まって行き、いずれベッドの上でずっと生活する「寝たきり」の状態になってしまいます。

1日の生活リズムを作り出す

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脳卒中や何らかの理由によって入院をし、リハビリテーションによって一定の機能が回復した人でも、退院後の自宅での生活がベッドの上で過ごしていたことから、病気自体は悪くなっていないにもかかわらず、また寝たきりの状態に戻ってしまう例もあります。

もちろん、体の不具合によってベッドから自由に出入りすることができない人もいます。そんな人たちには少々つらいことではありますが、ちょっとした移動も行わなくなると凄まじい速さで老化が加速します

少々酷ではありますが、食卓へと足を運ぶことで少しでも運動ができますし、家族間でのコミュニケーションを続けることができます。

1日に3回の食事の時にベッドを離れ、食卓まで行き、そこで食事をするだけでも十分なリハビリテーションになります。この一連の行動で筋肉の萎縮を防ぐことができ、1日の生活リズムを作り出します

そして何よりも「回復している」「普通の生活が出来ている」と本人が感じることで生活の自信へと繋がります。少しでも運動をする機会を増やし、出来る限り食事は食卓で行うようにしましょう。

日常の基本動作を自分で出来るようにする

食事以外にも、日常生活の行動で寝たきりの状態から抜け出すことができます。自分で行っていく日常の動作が下記の通りになります。

  • 身だしなみ
  • 歯磨き
  • トイレ、排泄
  • 衣服の着脱
  • 食事
  • 入浴
  • 移動
  • ベッドから起きる

どれも日常の生活を送る上で普通な事ですが、老化が進むにつれてどの動作もうまくいくことができず、億劫になっていきます。介助する人の手を借りることで幾分かやり易くなることは別に構いません。

しかしその状況に甘えて最初から最後まで全部任せっきりにするのはいけません。上記でも説明したように、いつも行う何気ない行動まで行わなくなると老化が進み、同時に寿命が縮んでしまいます。

介助する側もただ介護するだけではなく、様々な工夫を凝らして少しでも自分で行えるように援助することをお勧めします。