関連職種との連携
介護が必要となって来ると高齢者とその家族を中心にして、ヘルパーやケアマネージャー、訪問看護師、栄養士、薬剤師、医師など、多くの人達が連携を取り合って健康を保たせています。
また、「食事」に関しては実際に食事介助にあたっているヘルパーをはじめ、家族の具体的な情報、意見を関連職種の方々に伝えていくことがとても大切です。
高齢者は体の衰えだけでなく、食事量の減少や食欲の低下などからいろいろな病気にかかる恐れがあります。その疑いを少しでも早く見分けるために食事や水分の摂取量、食事にかかった時間、飲み込み力、むせの有無、入れ歯の具合、食べている時の全体的な様子、内服の状態など、細かい部分にまで目を配らせてどこも異常がないか確認するようにしましょう。
これらの情報を共有する為にも、連絡ノートを作成して具体的に記しておくと他の職種の方々にも状況が把握しやすくなりますし、対処も的確に行えます。可能なら関連する職種と定期的にカンファレンス、話し合いの場を設けるようにしましょう。
書面の情報だけでなく、実際に話を聞くことによって高齢者の癖や習慣などの細かい情報も得られる事もあり、最近の様子もすぐに理解することができます。そして得た情報によってその時、その人により合った介助を行えることでしょう。
食事介助にかかわる各職種の役割
- ヘルパー:食事介助
- ケアマネージャー:ケアプランの作成、調査
- 訪問看護師:栄養状態の管理、全身の管理
- 栄養士:食事指導、栄養バランスの評価
- 薬剤師:栄養補助食品の示唆、内服管理
- 医師:全身の管理、疾病の治療、食事療法の指示
- 歯科医師:歯科治療
- 歯科衛生士:口腔衛生、歯磨き、義歯管理
- 理学療法士:座位訓練、排痰(はいたん)訓練
- 作業療法士:上肢訓練、自助具設定
- 言語療法士:嚥下訓練、口腔訓練
多くの人によって支えられている『健康』
本来、人間が健康でいられるためには食事によって得られる『栄養素』と体を動かすことや無意識下での体機能による『運動』、それと体調を整えるために必要な『休養』の3つがバランスを保つことによって得られるのです。
若い頃は特に気にしなくても生活することは可能です。しかし老化によってこのバランスが崩れてしまうと、体の機能は一気に崩壊していき、バランスが保てなくなります。
人の体はとても複雑で、1人で修正しようとするのはとても困難な事です。そのため、上記のような多くの職種の人と関わりを持つことでより健康に、より長生きすることが可能となるのです。
もちろん、普段から健康を意識して過ごすことによって老化のスピードを抑えることが可能です。常日頃から健康を気にかけより良い生活をおくれるよう精進していきましょう。
